2019年11月28日木曜日

MOMOの謎

 IST MOMO#5の打ち上げ時期が決まりましたね。

 MOMOロケット5号機は初の冬期打ち上げへ、「個人」ペイロードも初搭載 | マイナビニュース

 真冬の北海道で打つのはCAMUI等も含めれば多数実績がありますが、観光客呼ぶとか正気か!?という気も若干します。真冬の北海道のアクティビティは多数ありますが、ロケットを見る場合は体を全く動かさないので人体の発熱量が小さく、相当つらいと思います。もっとも、僕はCAMUIの見学を何回かやったくらいしか経験がないので、ISTになってからどういうスタイルで見学してるのかは知りませんが。ググって出てくる写真みたいな「各自でイスとか準備してね」スタイルの延長線上だとすると、相当な覚悟を持って行く必要がありそうですね。


 ところで、前述のページのISTの資料の中で、ISASの固体と比較した表に、S-310やS-520は姿勢制御が×だがMOMOは◎、という表記があります。これってどういう意味なんだろう?
 ISASのサウンディングロケットの姿勢制御というと、次のS-310-45で実証されるような、観測機器を(恒星等に)指向させる装置等を指して使われます。
 一方で、MOMOは、少なくともロケット側の装置としては、観測中の姿勢制御は行っていないはずです。もちろんジンバルやガスジェットでの3軸姿勢制御は行っていますが、これはあくまで推力飛行中の推力ベクトルを制御するためのものであって、飛行時間全体に渡って姿勢制御を行うものではないはずです。

 観測機器の姿勢制御ができるならユーザーマニュアルになにか書いてあるだろ、と思ってISTのユーザーマニュアルを読んでみると、コールドガスジェットの頃から更新されてないので、参考にもならない。。。
 MOMO#3の動画だと、上空で撮影された映像は画角が大きく変動しているので、燃焼終了後は姿勢制御は行っていないはずです。

 とすると、ISASの観測ロケットとの比較として姿勢制御の有無を上げるのは、なんか姑息だなぁ、という気がちょっとします。
 口の悪い言い方をすると、高推力なエンジンを作れないから低加速度なロケットになってしまい、空力安定(&空力でスピンアップ)できないから結果的に姿勢制御を行わざるをえなくなった(燃焼終了までしか制御しないので観測ロケットとしての仕事中は制御されない)、という感じな気がします。


/* 大学のセンセーがイプシロンのコンセプトが出た当時に批判を書き連ねたのを読んで、「自分はこういうコンテンツは書かないようにしよう!!」と思ってたのに、気がついたら似たようなコンテンツ量産してるなぁ… */


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