軌道上の物体数。
1957年のスプートニク1号から続く宇宙開発による物体数の推移。ただし今回使ったデータセットは1959年頃からのデータなので、スプートニク1号は消滅済み。
オレンジが物体数の推移(一定期間内にTLEが発行された衛星数)。青が1日あたりのTLEの発行数。赤が1週間前との物体数の差。
80年代末(ソ連解体の数年前)までは明確に増加傾向。ベトナム戦争終わって少ししたあたりの79年頃に少し減少傾向か?という感じはある。90年代に入るとあんまり増えてない感じ。96年に一気に増えてるけど、観測技術の変化だと思われ(1日あたりの観測数の変化が大きいので、システム止めて調整とかいろいろやってたんじゃなかろうか)。90年以降は微増傾向ながら、2007年の中国の衛星攻撃実験、2009年のイリジウム/コスモスの衝突、で一気に物体数が増えてる。2015年以降も増加傾向だけど、これは観測技術の変化なのか本当に物体が増えてるのか、判断に迷うところ。少なくともStarlinkがすでに相当数上がっていることを考えると、運用中の衛星もかなり増えていることは間違いない。
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軌道ごとの物体数。
横軸が時代、縦軸が軌道長半径(左)/平均運動(右)。輝度は対数スケールなので上に凡例を表示しているけど、数値にはあまり意味はない。縦軸も、軌道長半径と地表高度とはかなり異なる場合がある(例:トランスファ軌道へ投入したロケットの上段)ので、参考程度に。
初期はやはり平均運動(MeanMotion、以下MM)が15前後の衛星が多い。60年代に入ってSyncom等が打上げられるようになるとMM1の物体が出てくる。MM2あたりはMM1を打上げた上段や、測位衛星とかで使われているので、かなり混雑。最近のMM4あたりは測位衛星を打上げた上段とかかな。
少し見づらいけど、やはり2007年の衛星攻撃、2009年の衛星衝突、で、かなり数が増えている。MM16より下に衛星が少ないのは、大気との衝突によって急速に減速し、軌道を維持できないため。それと比較すると、衛星攻撃で発生したデブリはかなり高い位置にいることがわかる。
MM12-15あたりはかなり混雑。高軌道に比べて体積も小さいので、相当混雑してるはず。
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静止衛星の経度ごとの物体数。
先の図でも分かる通り、70年代中盤に静止軌道の観測が減少した時期があるので、それ以降を表示している(静止軌道の利用自体は60年代中盤から行われている)。
ここで言う静止衛星は、軌道傾斜角が低くて離心率が小さいやつを対象としている。ちょっとフラフラしてる通信衛星とかは含まれていない。もちろん、準天頂軌道みたいな測位衛星も含んでいない。ということで、実際にはもっと多くの衛星が飛んでいる。 まぁ、つよそうな国の上空におおいな、という雰囲気。大陸上空に多いところをみると、大陸間通信というよりは、自国内へ向けた放送が主目的な感じ。
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5桁のカタログ番号はすでに47000番台まで使われている。80000以降はTBAに使っているので、残りは3万個分程度。数年で一足飛びに何万個も打上げられるとは思えないけど、観測技術の向上で見えなかったモノが見えてきたりすることを考えると、すぐ使い尽くしそうな気もする。スペースフェンスで「桁違いに多く見える」と言っているらしいし。
新しいフォーマットに移行してね、とのことだけど、やっぱりTLEは扱いやすいので、TLEには頑張っていただきたい。最近は1行目の末尾4桁(昔はTLEの発行回数を入れていた)を999で埋めてるので、ここをカタログ番号の上4桁に使うとか、その前の空白も使えば5桁増やせるので、そういう感じで拡張されないかなぁ。ただ、未対応のソフトウェアと互換性がなくなるので、結局下位互換は捨てざるを得ないが。じゃぁ古いフォーマットは古いフォーマットのままで古いソフトでも使えるように残して、維持してるソフトは新しいフォーマットに対応してね、という話になるんだろうなぁ。他にも5桁のカタログ番号にA-Zを含めた36進数みたいな表現方法も提案されていたようだけど「大して拡張できないよね」とのことで(log10(36^5)≒7.7)。
TLE便利と言っても、やはり複雑な表現形式はパーサー書く上で面倒なので、XMLみたいな形式で一気に(低レベルレイヤで直接変数に)読めるようにしたほうが便利なんだろうな。なおファイルサイズ(ry 最近は6MiB/day@TLEくらいだけど、これがXMLみたいな冗長な書き方になって、さらに桁違いに数が増えるとすると、1日あたり数十GB、みたいな量になってしまうんじゃなかろうか。。。
TLEは古いフォーマットなので、文字数を圧縮する工夫がいろいろされている(だからプログラムで読むのが面倒)。とはいえ、2020年分は1.7GiBくらいの量になるし、ここ10年分で10GiBになる。最近のテラバイト単位の記憶デバイスなら猫の額みたいな場所で済むけど、チマチマ読んでいくと読み出し速度がボトルネックになって処理が遅い。とはいえ、RAMDISK作って置くには、ちょっと大きい(過去およそ70年分で20GiBになる)。
そーいえば、古いノート、ちょっと前にSSDに交換したんだっけ。デスクトップよりはクラスの低いCPUだけど、結局デスクトップもCPU使用率はかなり低いから、ノートのほうが早いかもな? キーボード打つの大変とかいろいろ手間掛かりそうだけど。
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新しいPC欲しいなーと思ってマザボとか物色してみたり。ゲーミングのエントリークラスのちょっと高めなヤツで2万くらいで買えるんだな。あんなゴリゴリの高速バスを大量に引き回した上にパワエレ載せた、アホみたいに面積広い多層PCBが、2万円? たまげたなぁ…… CPUやGPUはかなりの値段なので、やっぱり半導体は高い。
i3-10100でグラボ無しで組んであとからi5とかRTXとか買い足せばいいのでわ?みたいな気がジワジワと。10100でもターボで4.3GHz出るし、たぶん今使ってるCPUより性能高いはずなんだよなー。定格でも上だし、世代間の差もかなり出るだろうし。あとは適当にPCIeなストレージとか組み合わせれば、ちょっとしたデータ処理くらいならかなり早くなるはず。まぁ、処理能力に関しては、そこまで切羽詰まってないし、もっと言えばわざわざ新しいPC買うほどでも……という。
元々はHDDの異音が買い替えたい最大の理由だけど、それにしたってフレームかどっかが共振してるだけのような気がするしなぁ。PC買い換えるよりType-C対応でRAID5なHDDケースとか買うべきな気もする。安物メーカーだと信頼性が心配だし、ブランド物は高いし。どうしたものか。
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今更ながらKSPを買ってみた。
無計画にぽちぽち組み立てても、軌道投入とか月フライバイとか、それくらいならわりとできる。地球とは異なる惑星系っぽい感じで、速度とかがよく知ってる数値とだいぶ変わるのが大変だけど。たぶんどっかに惑星の質量とかいろいろ数字あるはずなので、気が向いたら調べてみよう。ちゃんと計画的に宇宙開発を進めたい。「なんかテキトーに組んだら月フライバイしちゃった」とかはあまり面白くない。
/* 最近テザーが出てた、某缶ビールみたいな宇宙船の横で銃撃戦するFPSの話はまたこんど、気が向いたら書きます */
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