2021年1月27日水曜日

冷やし中華、始めました

※ 始めてません

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 久しぶりに中華CNCに手を出してる。今回はおとなしく既成の制御ボードを使っているので、あっさり動いてる。とはえ、まだいくつかコマンド打ちつつ動作確認してるだけだけど。

 中華CNCでググっても「なんかよくわかんないけど適当にやったら動いた」みたいなブログ多くて何が何やら。

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 参考にしてるページ。


 Grbl1.1のGitHub Wiki

 https://github.com/gnea/grbl/wiki


 人間相手のインターフェースのドキュメント類

 https://github.com/gnea/grbl/blob/master/doc/markdown/interface.md


 LinuxCNCのクイックリファレンス

 http://linuxcnc.org/docs/html/gcode.html


 Haas Automation, Inc.のYouTubeチャンネル

 https://www.youtube.com/user/haasautomation


 使ってるボードが1.1系なので、コマンドもそれに合わせて。基本的にGrblはLinuxCNCを参考にしているらしいので、コード類もそこから。

 Haasはいろいろ参考になる。DMGとかMazakとか、あるいは海外の他のメーカーでもそうだけど、自社製品の広報動画を出してるところは多いけど、CNCの使い方の参考にはならない。すでにマシニングセンタ等を使っている人向けに製品をアピールする動画が大半。DMGは最近eラーニング始めたらしいけど、自社製品ユーザー向けのクローズドな環境。Tormachは色々情報出してそうだけど、まだ見てない。動画見るだけなら、DMGの5軸とか、BrotherのSPEEDIOとか、面白いけど。

 基本的には、電子工作の基礎知識と、Haasでおおよその考え方を知った上で、GrblのWikiで対応コマンドを見つつ、LinuxCNCの説明を読めば、ちょっと設定いじったり簡単なコマンドを打ったりするくらいは問題なくできる。

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 リミットスイッチ/ホーミング/ソフトリミットは、使うべき。有るのと無いのでは安心感が全く違う。

 安いリミットスイッチだと、回路がかなりアレ。僕が買ったやつは、マイクロスイッチのCOMがコントローラに行って、NCがVCCに、NOがGNDに直結、COMはVCCにプルアップ、みたいな感じになってた。通常はVCCに直結、押下時はGNDに直結。遷移時はプルアップ。並列で使うとVCCとGNDが短絡する。謎い。

 固定穴が4個付いてるんだけど、2個はコネクタ入れるとネジの挿入自体が不可能で、残りの内1個はマイクロスイッチの金具にネジの頭(orナット)が干渉するので締め付けができず、実質固定穴は1個(+アライメント用の穴)という、なんとも馬鹿みたいなデザイン。回路も含めて、これ考えたヤツ、何を考えてるんだ?

 取り付けるのが面倒なのもあって、XYZ共にポジティブ側に1個ずつつけて、ホーミングに使っているだけ。ハードリミットは、スピンドルのノイズを拾ってAlarm1を頻発するのでOFFにしてる。負側はソフトリミットである程度の場所で止まるけど、正側は0まで(リミットスイッチが押されるまで)動くので、スイッチのストロークが狭いとちょっと怖い。

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 面白そうな機能、プロービング。Haasの動画見てるといっつもプロービングしてる、というような気がしてくる。ただ、中華CNCだと、ハイトマップとか工具長とか測る以外はほとんどプローブが活用されてない感じ。まぁ、追加工するような使い方じゃないしね。とはいえ、Grbl自体は任意の方向のプロービングに対応している。

 プロービングのコマンドはG38.2, .3, .4, .5で、.2だけ使えばOK。.3と.5は使わないほうがいいし、.4も普通はほとんど使う機会はない(DMGのコントローラだと.2と.4組み合わせてるのかな?)。

 G38.nはG1と同じようなコマンド。G1は普通に送るけど、G38.nはプローブがアサートされたら(orネゲートされたら)ホールドしてその場所で命令を正常終了する。

 G38.2G91Z-10F100 みたいな感じで使う。G91Z-10で探索距離を指定する。この場所まで移動してもアサートされなかった場合はAlarm5が出る。3軸好きな場所に移動できるので、斜めにプロービングすることもできる。

 G38はモーダルの移動指示なので、G0とかG1とか指定せずに位置を指定するとそのまま動いてしまう。;G80入れておけばいいんだけど、Grblはセミコロンの後ろは無視する仕様らしい(プログラム未確認)。セミコロンをCRに置換してくれれば改行を打ちづらい環境でも気軽に便利なコマンドを使えるんだけど。G38も数行のコマンドをまとめて打つことが多いので、送信側は1行で送って、コントローラ側で複数行に分解してくれると便利なんだが。

 Grbl自体はシンプルな機能しかないのであんまり複雑なことはできないけど、適切なプローブと組み合わせて、PC側でうまいことやれば三次元測定機みたいな使い方もできそう。もっとも、昨今は3Dプリンタ用のデータ作る用にWebカメラベースの3Dスキャナとか出てきてるので、点でしか測定できない機械はあんまり需要無いだろうけど。

 工具長の測定用に安物のZ軸用電極買ってみたら、実測の厚さが13.55mmくらいだった。ミリでもインチでもない。中国製の安物ってこういう所あるよねぇ。使い勝手とかは一切考えずとにかく早く安く作って売り出す。ある程度売れて需要があることが見えてきたら、クレームとかをフィードバックして改良してモノにしていく。CNCはまだまだ途上。ドローンとか3Dプリンタ(DJIやXYZprintingみたいなメーカー)はかなり改良していってる。ドローンは一般消費者向けなので数が出るからサイクルが早い感じ。3Dプリンタはホビイスト向けなのでいまひとつ、CNCはホビイスト向けでも更にニッチでいまいち進んでない、という感じか。

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 せっかくなので、本物のプローブの仕組みを調べてみたり。

 Renishawの資料が詳しい(Haasの純正オプションで追加できるプローブのメーカー)。以下のページにリンクが張ってあるPDF。


 1970年代に開発されて、コンコルドのエンジンを作ったりするのに使われてたんだそうだ。もっとも、コンコルドの初飛行自体は60年代末なので、量産時の効率化とか品質管理とかに使ってたんだろうけども。コンコルドは短命だったけど、そのエンジンは船舶用に流用されたり、いろいろ使われたらしい。

 プローブの内部構造はさほど特殊な感じではない。電極使ってるのも想像通り。ただ、回路の切断ではなく、電気抵抗の変化で検出しているんだそうだ。
 タングステンカーバイドの硬い電極なので、変形が少ない。とはいえ、バネで押し付けてるので多少の弾性変形はあって、それによって点接触より大きな接触面積が得られる。プローブが相手に触れると、その力で変形量が変わって接触面積も変化するので、電気抵抗の変化として検出できる。わずかな力で検出できるので、位置精度が高い。

 構造としてはシンプルだけど、いざ作ろうと思うと結構大変そう。


 そもそも、中華CNCってたいていER11コレットで、最大Φ7mmくらいまでしかつかめない。にもかかわらず、amazonとかで売られてる輸入のエッジファインダーってほとんどが10mmで、中華CNCで使うことは想定されていない感じ。モノタロウで扱ってるエッジファインダーも10mmが標準。中国とかのパチ物メーカーでも、中華CNCで使う用のエッジファインダーは作られていないらしい。少なくとも、輸入業者が日本に大量に持ち込むほど一般的な製品ではない。

 とはいえ、細いエッジファインダーがまったく無いわけではなく、例えばモノタロウやamazonで売ってるEF0606は、シャンク径/先端径が6mmなので、ER11でつかめる。もっとも、全長が50mmあるので、バイスとかを使うとストローク足りなくなりそう。あと、9000円ほどする。型番違いの10mm/10mmタイプは6000円程度、モノタロウとかで扱ってる安いやつは5000円弱ということを考えると、結構割高。しっかし、細いエッジファインダーなんてほとんど売れないだろうに、なんでamazon.co.jpが販売元で売ってるのかね? さすがに2個しか在庫持ってないみたいだけど。最近のamazon.co.jp、結構ニッチなものまで売っててなかなか侮れない。

 EF0606、モノタロウではムラキのブランドだけど、この会社は主に輸入をやっている会社。工作機械関係だけじゃなく、時計とか宝飾も扱ってるらしい。で、EF0606はTSCHORNというドイツの会社から輸入しているもの。で、この会社のエッジファインダーは、インドで作った製品を輸入してドイツで品質管理を行って販売しているもの。つまり、物自体はインド製らしい。もっとも、ムラキのサイトだと「Made in Germanyにこだわって国内で一貫生産」と書いてあるけど。

 機械式のエッジファインダーは、構造としてはかなり単純。中華CNCで使うような「とりあえずそれっぽく機能すればいい」程度なら簡単に作れる(気が向いたら作り方書く)。まずはちゃんと切削できるようにしなきゃなぁ。

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 いろいろ動かしてて気づいたけど、スピンドルの振れが0.5mmくらいある。ツール単体で回してると気づかないけど、横に何かおいて比較してみると明らかに揺れてる。先端側のほうが大きくズレるので、工具が斜めに入ってる感じ。

 焼き嵌めのチャックにダイヤルゲージ当ててもほとんど振れない。別のコレットナットに交換したら少し改善したので、ナットが原因かな? 結果、根本で0.1mm、30mmくらい先で0.15mm、くらい。まだ揺れてるけど、だいぶマシ。フレームの剛性も低いし、ちょっと押したら0.1mmくらい簡単に動くので、このあたりで妥協したほうが良さそう。基板切削するような細い工具だともうひと声ほしいけど。

 ちゃんとしたコレットを使えばもっと良くなるのかもしれないけど、コレット1個3千円、ナット1個5千円、レンチ1本3千円、合わせて1.1万円、くらいかかる。割と安めの製品でもこの有様。「チープなパチモンじゃないこと」が選定基準だとどうしても高くなるとはいえ、下手すると中華CNC1台買えるレベル。

 まさか売ってないよね?と思いつつ、念のためにamazon.co.jpでレゴフィックスを検索したら、売ってやんの。マジか…… amazonこわい。さすがにブランド物の純正品なのでコレット1個で7千円くらいするけど。スイス製だもんね。そりゃ高いよね。さすがに数が出ないのか、在庫切れ/入荷時期未定が多い。正規のサプライチェーンだろうからポチればそれなりの納期で入ってくるだろうけど。

 amazon.comだとTSCHORNやREGO-FIXは扱ってないので、amazon.co.jpのラインナップがヤバイんだと思う。あれか? アメリカは金属加工ツール売ると銃作るやつがいるからダメってことか? んなばかな…… アメリカ人、自宅にHaasおいちゃうような金属加工ガチ勢が多いはずなのに、なんでamazon.comだとそういう商品はあんまり扱ってないんだろうか。既存のマーケットがあるから? Haasがツール類の販売に手を出すってことはそれなりに入り込む余地があるはずなんだけど。物流環境とかいろいろあるのかもしれないけど。

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 とりあえず、Grbl1.1ボードが動くようになって、コマンド売ってぐいんぐいん動いて、それで結構満足してしまってる。これはいけない。

 とはいえ、1x4材とか削ろうにも木目が面倒だし、銅張りガラエポとかは粉塵ヤバいし。適当に柔らかくてそれなりに粘りのある(粉にならない)樹脂ブロックでも買っておこうかな? クランピングなんとかして、3Dプリンタの追加工とかに使うのもアリかな/* クランピングでググってキャンプ場出してくるGoogleさんマジポンコツ。グ…… */。

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